無言は多様

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ラーメン荘 夢を語れ

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昨年あたりだったか、京都は左京区一乗寺北泉通りに新しいラーメン屋が出来ておりやした。

その真っ青な飲食店らしからぬテント看板から「ん?不動産屋さん?」と思ったけど「ラーメン荘 夢を語れ」と書いてある限りラーメン屋らしい。
それ以上に驚いたのは京都ラーメン草創期から名を連ねる「天天有」の真横というロケーションでござった。
普通は「おぇっ!喧嘩売ってんのけ?」と受け取られるでしょう。
「自信がある」か「喧嘩好き」か「世間を分かっていない」か不明な感じ。

天天有側は「まぁ、頑張らはったらっ‥」との老舗の風格的寛容なる心で許しているのだろうか?と想像をしてみたりもするがホントは心中穏やかではないとも思える。
出店地域は一乗寺ラーメン激戦区のど真ん中。最初はカウンターの客ももまばらだったはず‥。
そのうち潰れるやろうと思っていたら店先に人が並んでいたりする。
「ん?美味いのか?」と思いつつ、ある時ふっと入ってみやした。

入り口すぐ左横に食券自販機。
食券自販機を設置する店は「余程味に自信がある」か「立地条件が余程良い」か「大いなる勘違いをしている」かのどれかに属すると思っていやす。
自販機にお金を入れてメニューを見る。
あたしゃ、初っぱなはスタンダードなラーメン(並)を注文する主義でござる。
ラーメン並600円‥それは良い。
麺300g‥。

たまたま飲食店関係に携わる仕事をしているから「ほへっ?何考えてんねんっ!」と思ったのだが、普通のラーメン屋さんの(並)の麺の重さは160g前後くらいでござるから、300gというのは尋常でない量だ。
が、「たっぷり食べられるのは良い事だ!」と少し喜ぶ。

食券を手に取り、自販機の横を見るとバケツに割り箸が大量に刺さっており「カウンターまでお持ち下さい」と書いてあった。

「ちょっと普通の神経ではないな‥」と、怖い物見たさの嬉しさを伴いつつカウンターへ。

カウンターの中では20代くらいの若いにいちゃんが一人でお店を切り盛りしておった。
カウンターには調味料や爪楊枝等は何も置いてない。
厨房方面を見るとダンボールの切れ端にマジックで「脂多い目・野菜多い目・ニンニク有りお申し付けください」とか「調味料が必要な方は持参してください」等のメッセージが沢山書いてある。

「なるほど‥徹底的に合理化してるのね‥」と思っているうちに店長から「ニンニクは入れますか?」と聞かれ「はい!」と答えると目の前にラーメンが置かれた。

ここのラーメン鉢は底が深い。そりゃそうだ、デフォルトで麺300gだもん。
でもその大量な麺とスープの上に山盛りの茹で野菜(もやし・キャベツ)が乗っている。
その上に厚切りのチャーシュー数枚。スープは背脂でギトギトしている。
多分、普通のラーメン屋さんでは「超特大」に匹敵すると思われる。

鉢全面を覆う野菜をのけつつ、麺を探してみた。

驚いた!平打ち生パスタのタリアテレの様な麺だっ!
食ってもモゾモゾした食感だ!大凡ラーメンと言われる麺ではない。

スープの味は背脂が大量に浮かんでいても豚骨+鶏ガラ系あっさり醤油系の味だ。
少し獣臭い野性的な臭いがするが、わからない程度の生姜で上手く抑えてある。
スープと茹で野菜の相性は良い。
焼き豚もそんなに悪くない。

しかし、このグニュグニュした麺はなんだ!
これは一体なんなんだ???
鉢の中身を一口、運ぶ毎に頭の中は「?????」で一杯。

「これは美味いのか?不味いのか?なんだかよくわからなが、少なくとも一般的に言われるラーメンとは全く異なる食べ物である事は間違いない筈だ!」

もう止めたい‥と思いつつも次の一口。そんな事を繰り返しながら完食してしまった。
「こんなんラーメンとちゃうっ!」と頭の中では否定しつつも体が食べてしまった。
決して「あぁ、美味しかった!大満足!」という印象も残さずに完食してしまったのが、なんとなく悔しかった。

「もう二度とこの店には来るまい‥」と席を立った。
入った時は開店間もない頃だったので空いていたのだが出る時には満席だった。
店を振り返り「この満席の客は何を想ってここに来ているのだろう‥?」と思った。

天下一品のラーメンを生まれて初めて食べた時は衝撃的に美味かった。
しかし、人によっては「なんやこれっ?なっ、なんなんだっ!」と疑問を抱く人も多いと聞く。
「それって、きっと、こんな感じの印象なんやろなぁ‥」と思い帰宅した。

人に「夢を語れってどんな味?」と聞かれれば「あれはラーメンとちゃうで!不味くは無いけど、体育会系学生向きラーメンやな!」と答えつつも、抑えられない想いがあった。

「もういっぺん食べたい‥」

正直悔しかった。あれはラーメンではないと完全否定しつつも食べに行きたくなっている。
ネットで調べてみると関東では有名な「二郎」というラーメン屋の流れをくんでいるらしい。
「俺、ハマってんのか?」と思いつつ、本日、遂に二度目のトライをしてしまった。

自販機横の割り箸はリサイクルできる竹箸に変わっていた。
以前は異常に盛ってあった茹で野菜も減っていた。

今日は「これはラーメンではない!」と思いながら食べてみた。
麺を捏ねた塊を包丁でスイスイと茹で釜に放り込む中国料理がある。
あんな感じの料理なんだ!と思い込ませながら食べてみた。

やっぱり不味くはなかった。
しかし、天一の様な満足感はなかった。
だが、また来てしまうだろうとの印象は残った。

美味しい飲食店は沢山ある。
「ここ結構美味いな♪」と思いつつも二度と行かない店も結構ある。
「もう一度行ってみたい‥」と思わせる店は本当の曲者だと思うこの頃でござる。
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by manun | 2007-03-16 04:39 | たべもの